仙台の美容師 スズキユタカのブログ/美容室via@仙台

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「天気の子」と「アンチアンパンチ勢」

約1分

世間が休みの終わりを嘆き、茫然自失としている日曜の夜。
美容師にとってはむしろ休みの始まりであり、胸踊る夜である。

そんな日曜日の夜、数ヶ月に1回だがぼくは映画を観に行く。
先日も店を早めに出れたのでずっと気になっていた映画を観に行った。

weathering with youである。
「天気の子」何故英語でそうなるのかが「天気の子」の中で1番の謎であるのは間違いない。

とりあえず、新海誠監督の作品はほぼ観ている。
一応、この後には色々な作品の軽いネタバレを含んでいるが、この程度のネタバレでムキーッ!っとなる人はハナから映画を観るのに向いていないと思うのでどちらにせよ気にせず読んで頂いただければと思う。

初めて秒速五センチメートルを観た時はこの上なく壮大に描かれる情景と、この上なく器の小さい主人公の対比に心を奪われ、ぼくの前にも横たわる茫漠な時間に想いを馳せては心置きなく病んだ。

その後に観た「ほしのこえ」は女子高生が数学が得意だからという理由だけで宇宙に駆り出されロボットに乗るという設定でぼくの厨二心を捕え、秒速五センチメートル以上に救いようのないラストで心を抉られた。

世に新海誠監督の名を知らしめたのは「君の名は。」だと思うが、当時ネットでは古参新海誠フリークからは否定的な意見も目立った。
ぼくなりに解釈し要約すると「ハッピーエンドだったから」だ。
新海誠監督の作品はどこかに闇があり、その中にほんの小さな光とか希望とかみたいなものを見つける、いや見つけたことにしないと絶望に飲み込まれる。そういった作品であったように思う。

それが、「君の名は。」では確かに彗星は落ちたもののラストはしっかり瀧くんと三葉ちゃんは出会っていた。
ぼくも「君の名は。」を観た時は古参新海誠フリークの一員を自負していたので右向け右で「新海誠も大衆娯楽に飲まれたか…」とか、「あそこは二度と会えない、もしくは会ったけど気付かないまま永遠に引き裂かれる、というのが新海誠イズムちゃうんか!」と息巻いていた。

あれから3年。というか、もうそんな経っていることに驚く。「君の名は。」を観たのなんて前前前世どころか、つい昨日のことのように思っていたのに。
というとで「天気の子」の話。

個人的には「君の名は。」よりも好きだった。
というか、何か観終わって2、3日経っているが何か後引くものを残されてしまった感覚でいる。
ピュアすぎる帆高。16くらいにもなれば流石にもう少し大人な気もするが、それでもあれだけ誰かに、何かに夢中になって他のことには目もくれず真っ直ぐ目的地だけを目指す姿には羨ましささえ憶えた。

そんな余韻に浸る中、ぼくはふと思った。
「天気の子」は現時点で興行収入が100億を超える大ヒット作品になった。
そして古参新海誠フリークも「君の名は。」に比べると静かな気もしていて、新たな新海誠イズムを受け入れるしかなくなっている勢も少なくないのでは?と思える。

が、しかし。
ぼくは違和感を覚えた。

帆高は明確に法を犯している。銃刀法違反や公務執行妨害など。捕まってから逃亡するなど以ての外である。
そして、ラブホに泊まるのも高校生以下は違法になるはずだ。
明らかな法律違反のオンパレードだ。

話は変わるが最近SNSでちょっと気になっていたのが「アンチアンパンチ勢」である。
正義の味方、子どもたちのヒーローであるアンパンマン。
その彼が、暴力とは何事か!という意見である。

「弱いものいじめは許さないぞ、バイキンマン!くらえ!アンパーンチ!」

確かに「は?」である。

しかし、そこは鉄拳制裁ではあるもののみんなに悪意を持って迷惑をかけるバイキンマンを民意の名のもとに成敗するという善たる姿であるのは明らかである。

これを「いかなる時でも暴力は良くない!」というのが恐らく「アンチアンパンチ勢」の意見であると解釈している。

個人的には意見は人それぞれなのでそこは特に反論はない。
確かにアンパンマンを観た子どもは、ごっこ遊びをしたら確実にアンパンチを繰り出すだろうし、子どもの未熟なパワーコントロールでは想定外の強力なアンパンチを放ってくることも考えられる。

それを毎日その身に受けるお母さん方にとってはバイキンマンのような悪意を持っていないだけにたまったものではないだろう。
お父さん方においても、子どもの背の丈を考えると油断すればアンパンチがお父さんのバイキンマンにクリーンヒットする危険性もあるわけでハヒフヘホーでは済まないダメージを追う危険性を孕んでいる。
理解はできる。

さて、昨今、気軽に自分の意見を公に発信できるSNSというツールがある。
そこで「アンチアンパンチ勢」は「危ない!」「乱暴だ!」「教育に良くない!」と声高に主張するのだが、「アンチアンパンチ勢」は帆高の一連の犯罪行為をどう捉えるのかが気になって仕方ない。

理屈でいえば「アンチアンパンチ勢」は良識を持って危険なことはいけない、乱暴は良くないと主張するわけで、であれば帆高の一連の犯罪行為に対してもアンチであるべきな気もするし、ましてや「天気の子よかったー!」などというのは理論が崩壊してしまうような気がする。

人それぞれ、正義の形は違っていてピュアであればあるほどそれは周りの理解を超える領域に突入していくものなのかもしれない。

そんなことを思いながら、ぼくは「天気の子」
を観て以来自分のピュアな部分を探し続けていたのだが、この記事を書いていてやっと気付いた。
「天気の子」を観て、「ピュアでいいなー。ぼくもああいう何かを真っ直ぐに思う気持ちを取り戻したいなー」と思っていたが、そもそも真っ直ぐな人は「天気の子」と「アンパンチ」の話を無理やりこじつけたりしないということに。

とりあえず、ぼくはどちらかと言えば雨男だしアンパンマンのキャラクターで言えばホラーマン(見た目が)である。

おしまい。

※あくまでも個人的にふと思っただけでアンパンチに対してどうこうっていう話じゃないのでご理解ください。

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宮城県仙台市青葉区の美容室、viaオーナー。
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