若かりし頃に桜木花道のピンク坊主に感化されて免許更新の前に金髪坊主にしたら色の白さと痩せこけ具合が相まって何かしらのヤバいおクスリやってそうな写真が出来上がったことがあります。
どうも。仙台市青葉区の広瀬通沿いでviaという美容室をやってます。
天才スズキです。
さて、何かと話題の映画「ファーストスラムダンク」
観てきました。
声優変更がダメだとかCGが不安だとか色々前評判が思わしくなかったこの映画。
わたしもご多分に漏れず花道=ジャイアンには不安しかなく、それまで富有柿くらいにMAXだった期待も干し柿程度までシュンとしちゃっていました。
その件に関しては以前にも書いた通りであります。
でもそこはやはり「諦めたらそこで試合終了」なわけで、文句言うにしても何にしても行動した者のみに許される権利だというのが信条です。
選挙行ってないのに文句だけ垂れるクレクレマンにはなりたくないのと一緒です。
まずは観てから「夢見させるようなこと言うなよ!!」と言ってやろうと思ったわけです。
それにほら。
干し柿は干し柿で美味しいし。
で、これはネタバレとは言わないと思うので言っちゃうんですが、アニメでまだやっていなかったインターハイ、その中でも山王戦をやるんじゃないかという噂でしたよね。
だとすると、漫画史上最高の見開きである花道and流川のハイタッチがあるわけです。
個人的にはあの見開きはルーブル美術館に展示し、国宝に指定してもらうくらいの価値があると思うんです。
なのでそのシーンをどう魅せてくれるかが評価を分かつ部分だと思ってたんですよね。
結果は、、、
そんなのどうでもよくなるくらいに全部が良かったwww
もちろん、名場面中の名場面なわけでそこはそこでニヤリしちゃったのは間違いないんですが、あくまでニヤリ。
もうその前にマスクびちょびちょになるくらいに号泣してたので。
もう始まって1時間くらいから、何このスラダン…聞いてないよ…あれ??ポップコーンの塩っけが…目から…なにこれ…的な。
他にもネタバレを極力避けて言えば、スラムダンクとはバスケ漫画(アニメ)なわけです。
バスケと言えば攻守の切り替えや展開が早く、息付く暇も無いようなスポーツ。
スラダンに限らずスポーツ系の漫画やアニメは一挙手一投足の間にその人物の感情や周りとのドラマがあり、なんなら必殺技の名乗りを叫ぶとかありがちで「いや、そんなんしてる間にボール奪られますがな」的ツッコミは往々にあるのが定石。
ところがですよ。
このスラダン、普通にバスケなんです。
プレーが止まらないんですよ。流れの中にドラマや感情が上手く乗ってくる。
こんなやり方初めて見ました。
あー、このためのCGなんだなと思うとアニメをCG化することに拒絶反応を示していた自分が恥ずかしくなります。
それもあって、漫画版や旧アニメ版に比べるとコートに対して選手たちが大きい。というかリアルな縮尺。
つまり、コートが狭いんです。
ディフェンスする→リバウンドとる→攻守交替→シュートという流れの中にドラマを入れ込む時に流れを止めない(止まったように感じさせない)ので、時間稼ぎするためにコートを広くしておく必要が無いんです。
普通にバスケの試合見てる感覚です。
それと、声優変更は全く気になりませんでした。
あ、うそです。
1箇所だけ。
花道が観客に向かって叫ぶシーンがあるですが、その時一瞬だけ花道が立っているのが空き地の土管の上になってました。
が!
ほんとネタバレになるんで言えないんですが、これスラダンであってスラダンじゃないんです。
スピンオフとまでは言わないけどスピンオンなのかと言うとそれも言い切れない…。
そもそもスピンオンって単語自体聞いたことないですが。
ただ、さすがにスラダン初見の方は置いてけぼりにされます。
ミッチーこと三井寿ってスリーポイントシューターがいるんですが、この人は色々あってグレちゃったんです。
で大グレしてリョーちんこと宮城リョータをボコボコにした挙句にバスケ部に不良仲間と乗り込み大暴れ。
そこに花道(彼も昔バスケ部入る前はバリバリヤンキー)の不良仲間が来て返り討ちに。
さらにそこに来たゴリことキャプテンの赤木(ミッチーとは同級生)に一喝され、メガネくんこと小暮に諭されるももう後に引けなくなっており悪あがきの暴言連発。
そこにかつての恩師でありバスケ部顧問の安西先生が来たところでミッチーの心の氷が無事解凍。
「先生…バスケがしたいです…」
の名シーンとなるわけです。
この名言はスラダン見たことない方も聞いたことがあるかもしれませんね。
ただ、この流れは映画ではハンパにしか触れられません。
もう触れないなら触れない方が良かったのでは?と思うくらいに。
トトロで言うと、メイのサンダルらしきもの見つかったのを聞いたサツキが走って向かった次のシーンで電線からサツキin猫バスがメイの前に降り立つみたいな展開が繰り広げられます。
え、なんでそうなった?的な。
あと、そもそもバスケのルールについては何も触れません。
もちろんドクターTも出てきません。
スラダン知らないと、え?ドクターT誰?ってなりますよね?
それを無視して書き進めるこの感じがファーストスラムダンクにはずっとあります。
それがダメなんじゃなく、それでも泣けるくらいにヤバいってことです。
ちなみにスラダン初見勢だけでなく、知ってる人も置いてけぼりにされます。
しかものっけから。
まず冒頭、とある場所から物語は始まるんですがその地名が出た瞬間、「どゆこと?」ってなります。
スラダンの流れにそんな場所は1ミリ足りとも触れられてこなかったからです。
んで、あの名言やあの名シーンも出てくるわけですがそれがもうマンガで見た時とは違う感覚で襲ってくるんです。
なぜなら、マンガで見てる時の感情移入とは違う方向に引っ張られ続けるから。
あーーー、もうこれ以上は言えない…。
ネタバレ上等レベルの核心に迫らないと良さが伝えられない…。
これは従来のスラムダンクを、原作者の井上雄彦が描きたかったことを新しい解釈でリビルドしたスラムダンクであり、言うなればシン・スラムダンクなわけです。
あ、ちなみにシン・ウルトラマンも観ましたがあれは…w
とにかくスラダン好きな人も見たことない人も必見だし、何ならキャプ翼とかハイキューとか今流行りで言えばブルーロックとか、数々のスポーツ漫画(アニメ)がやってこなかった「スポーツをスポーツとして見せる」が出来ているってことだけで十分に観る価値大アリです。
あ、ちなみにこれマメ知識なんですがエンディングテーマを歌ったのは10-FEETですが、バスケットゴールの公式ルールの高さが10フィートらしいですね。にくいねー、このこのぉ〜
という事で、個人的には今年1じゃないかというくらいの高評価をつけたいファーストスラムダンク。
ちょっとでも気になった人は観に行った方がいいぴょん
おしまい。