今日は真面目な話をします。
仙台市青葉区のキラーナで美容師をしておりますスズキユタカです。
先日こんな話題がニュースになってましたね。
ここからは個人的な暴論になりますので異論反論など多々あると思いますが、何かあれば2ちゃんにリンク付きで上げて炎上させてください(笑)
ここでは市販のカラー剤を『市販』、美容室のカラー剤を『プロ用』と記述させていただきます。
自宅カラーの危険性って?
まずこれ、何がいけないかってまずは塗り方だと思うんですよね。
大前提として、市販のカラーだったからなのか?というところで1008件のうち美容室のカラー剤なら異常が出なかったのはどのくらいあったのだろう?と思うんです。
あとで述べますが、炎症を起こす原因になるものは大抵プロ用にも入ってるし強さの違いはあれど全く別なものではないので。
極端な話、麻酔からメスから何から揃ったからといって、開腹手術を家でやろうとは思わないですよね?(次元が違うかw)
基本的に美容師はカラーの危険性や数々の事例を知った上で施術するわけですし、ましてお客様にカラーを塗るという技術に対して数ヶ月とかの練習をして、きちんとした店内でのテストを受けてその「技術」を習得するわけです。
おそらく、自宅でカラーして異常が起きた方がカラー剤をプロ用に変えるよりも、市販のカラー剤をプロが塗る方が異常が起きるリスクは断然減るのではないかと思います。
プロ用カラー剤と市販のカラー剤のパワーの違い
技術的なことは置いといて、カラー剤の違いのお話をすると、まずはパワーです。
今回の件を受けていろんなところで上がっているように、誰が使うかわからない=誰でも染まる=強力なわけで、髪質・頭皮の状態が敏感な方にとっては必要異常のパワーを持っていることになります。
飛躍して言っちゃうと、なぜ皮膚トラブルだけ騒がれて髪のダメージについては触れなかったんだろう?とも思ったりもしてます。
大抵の美容室では根元と毛先でパワーの違う薬剤を使います。
正直、根元と毛先を全く同じ薬でカラーすることは皆無です。その時点でやはり差が出てきますよね。
匂い問題
次に匂い。
これはちょっと難しくなるんでなるべく端折ってお話すると、匂いに関しては我慢していただくしかありません。
消臭効果のある後処理をさせていただくとかできる対応はあるのですが、そもそも匂いがするやつの方が安全な場合が多いんです。
薬を髪の中に届けるために入ってるものが臭いの原因になることがほとんどですが、プロ用はアンモニアがその役目を担ってることが多いです。アンモニア、臭いですよね…
でも、アンモニアは揮発しやすいです。なので時間がたつと大体臭い影響は消えます。
市販のものはあまり匂いがしないようなものを使ってるものが多いですが、それは髪にも頭皮にも実は残りやすく負担をかけ続ける可能性があります。
その他の対処
おそらく自宅でこれをやる方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?
保護クリームを塗る・保護用のオイルを使う・0.数ミリレベルで根元は避ける・薬剤をしみにくくするためのモノを混ぜる・・・
こういった対処をしながらするだけで大幅にトラブルのリスクは減らせます。
今まで僕が経験した事例
「ジアミン系」と呼ばれるもので成分表示とかには「パラフェニレンジアミン」とか書いてあるものがあります。
きちんと病院でこの「ジアミン系」へのアレルギーがあると診断された方がお客様でいらっしゃってどうしてもカラーしたいと言われたことがあります。
断固止めたのですが、どうしてもということで結局何が起きてもこちらでは責任負えないという書面に一筆いただき(責任逃れというよりそれくらいの覚悟はしていただきたかったので)地肌にカラーがつかないように細心の注意を払いながら施術しました。結果、何の反応も出ずその後は色の幅は狭かったですがカラーしていました。(もし現段階でそういった方が来られてもお断りすると思います。今のスタンスとしては一筆いただこうが責任の負えない仕事はしたくないので。悪しからず)
きちんとした対処ができるならセーフな場合もある、という例ですが基本的にお勧めはしません。
アナフィラキシーの可能性などもあるので、かなり慎重になった方が良いかと。
かゆみなどの違和感(特に塗り始めより流す直前の方がひどくなった・家に帰ってからひどくなったというような時)、頭に傷がある時(こまかいものも)、花粉症の症状がひどい時・・・などの異常がある時は必ず担当の美容師さんに伝えましょう。
確かに市販のカラー剤で自宅でカラーするのは安価で手軽でメリットも多々あると思います。
危険性や正しい使用法を知った上でカラーを楽しんでいただけるように最大限の技術と対処とデザインをご提供できる場が美容室であり、カラーの料金は薬剤への対価ではなくそういったマクロな部分への対価と思っていただけると幸いです。