仙台のキラーナという美容室で美容師をしております。スズキユタカです。
先日、サロンワーク中にずっといらして頂いているお客様の髪をやっていたら、おや?と思いちょっと伺ってみたんです。
「シャンプー変えました?」
これを全くもって興味の無い一般男性に聞かれたら9割の女性は気持ち悪がると思います。
が、そこはこちとら「24時間美容師」のコンビニエンススズキです。
「あ、変えました!よく分かりますね!ノンシリコンシャンプーにしたんですよ!」
ほら。セーフ。むしろお褒めいただけました。
「なんかいつもと手触り違うなぁとおもって。気持ち悪いでしょw」
「そうですね笑」
うん。これは気持ち悪いくらいに美容師ですね、というポジティブな方向に受け取ることにします。
前置きが長くなりましたが、この時ぼくの感じた違和感は正直良いものではありませんでした。
きしみ、ごわつき、ひっかかり。
そういう類の違和感。
この方もそうでしたが、よく「ダメージ気になってきたからノンシリコンシャンプーに変えた」というお声を聞きます。
はたしてこれは効果的なのでしょうか…?
そもそもシリコンって何?
シリコンは感触剤ってヤツで、ツヤ感や手触り、クシ通りを向上させるためのモノです。
例えば新聞紙。これは紙そのままの状態なのでザラザラしてますよね。それに対して雑誌(特に表紙)。コーティングされていてツルツルした手触りで光も反射します。
こんな感じの差だと思ってください。
ノンシリコンシャンプーの生まれた背景
シリコンは毛穴につまり、頭皮の皮膚呼吸を阻害し、髪をコーティングしてしまうのでカラーやパーマの薬が効かなくなり、毒性があり、アレルギーを引き起こし、うんたらかんたら…
成分表示には「ジメチコン」とか「シクロメチコン」とか書いてあります。
では、ここでクエスチョン。ヒトシ君人形を置いてください。
あなたの使っているファンデーションや下地、シリコン入ってませんか?皮膚に丸1日呼吸させないとかサイコパスか何かですか?
あなたの使っているキッチン用品にシリコン製のもの使われてませんか?毒を食らって生きていくとか悪魔か何かですか?
あなたのおっぱいに入っている豊胸手術の中身、シリコンじゃないですか?おっぱい爆弾か何かですか?
ほらな!
誰だよ、勝手にシリコンに全宇宙最凶みたいなイメージつけたの!
フリーザかよ!
戦闘力530000かよ!
シリコンの安全性
もちろんシリコンにも種類があるので悪影響なものもあるかもしれませんが、今の時代そんなの入ってるシャンプーはそう多くはないと思います。
ぼくの知り合いのコスメヲタの方にも聞いてみましたが化粧品に入ってるシリコンについて気にしてる人ってほとんどいないですよね?
むしろ入ってるものの方が崩れにくかったりで人気らしいじゃないですか?化粧品のシリコンが原因で肌が荒れて…みたいな話あんまり聞いたことない気がしますが?
シリコンジェルは、シリコン(有機ケイ素樹脂)でできたジェルです。過去には安全性が疑問視されFDA(アメリカの厚生労働省にあたる機関)で使用が禁止されることもありましたが、後に安全性が確認され、現在でも使用されています。シリコンは、生理食塩水とは異なり、漏えいしても体内に吸収されることはないといわれています。
引用元:美容医療相談室
おっぱいについて シリコンについて調べてたらこんなのありましたよ!
昔は「それ大丈夫なの?」みたいな感じだったのが「あ、なんだ平気じゃん」みたいに10年以上前に分かってるんですね。
よかった。世界中のおっぱいは安全です。
ノンシリコンシャンプー使って痛ませてんじゃねぇよ!
話を髪のことに戻しますが、つまり…
・シリコン入りシャンプー=手触りやツヤを良くする処方になっている
・ノンシリコンシャンプー=今の素の髪の手触りやツヤにしかならない(他の諸成分を除く)
ってことですね。
カラーやパーマ、縮毛矯正でのダメージはもちろん、ドライヤー、紫外線、コテやアイロン…など様々なところで負担がかかりひっかかりやすくなっている毛先。
そんな毛先をノンシリコンシャンプー使って絡まりやすくしてガシガシくし通すことに何の意味を見出せばいいのでしょうか…
ノンシリコン使って油断してませんか?
濡れてるいる髪はかなりのメンヘラです。
ちょっとしたことで傷つきます。こちらが意図していない思いもよらないことで勝手に傷ついて最終的にはこちらに罪悪感を放り投げてきます。慎重に扱ってあげねばなりません。
そんなメンヘアーをタオルでゴシゴシ拭いてクシでガシガシとかしてドライヤーでガンガン熱する。そんなんじゃ刺されても文句は言えませんよ?
※ぼくはメンヘラ、嫌いじゃないです。
でもやっぱりシリコン入ってないのがいいよ。
言ってることに統一性がないですね。
ぼくもメンヘラのようです。
ではなくて、そもそもトリートメントはまだしもシャンプーにシリコンが入るのは界面活性剤という泡のもとになる成分が良くなくてキシキシしてしまうので、それをカバーするために配合されることがほとんどです。
つまり、界面活性剤がキシキシしないものであればシリコンはいらないのです。
入ってても目的がちゃんとあってそれ以外もこだわっていれば問題ないと思います。
シリコンが入ってなくて手触りがいいシャンプー
これを狙って選ぶとノンシリコン使っても外れることはないですね。
でも使ってみないとわかんないじゃん…
そう、そのためにいるんですよ。
美容師が!
でも美容師さんに聞くと市販のはダメって言われるから…
そう!ダメなもんはダメ!(全部とは言いませんが)
ぼくらは自分たちが扱うシャンプー剤については勉強をしています。それぞれに狙いや目的があるからです。
市販のは勉強してません。勉強しなくても信用に値するものがあればオススメしますが、今のところは出会ったことがないので知ってる限りはダメ!
これを要約すると「基本的に市販のはダメ!」こうなります。
髪にパワハラしてませんか?
数千円するファンデーションや下地を使ってお手入れしている肌。肌はターンオーバーして生まれ変わります。しかも肌にはダメージを与えるようなことはしない。
生まれ変わることのない髪の毛には数週間に1回カラーやパーマをして数百円のシャンプー…
ぼくが髪の毛ならパワハラで訴えます。
めちゃくちゃ高いの使えとは言いません。
髪の状態や髪質、ヘアスタイルにあったもの、普段の施術やお手入れの仕方にあったものをまずは担当の美容師さんに相談するところからはじめてみてください。
あきらめないで!