仙台のキラーナという美容室で美容師をしております。スズキユタカです。
ヘアスタイルを考える時にインスタやネットを介してのスタイル画像を参考にするのが最早当たり前となった今日。
画像ベースのものも多くテキストで詳しく説明されていないスタイルの中には、実はどう頑張ってもブリーチしないと出せないカラーのものもあります。
ノンブリーチの壁
ぼくは基本的になるべく素材を活かすことに重きを置いていて、例えば「ブリーチしないと無理だけど近いところまではブリーチ無しでも行ける」となった場合、基本的にはブリーチ無しで2~3回のご来店を経て完成させて行くのをオススメしています。
髪への負担やゆくゆくの色持ち、褪色時の状態を鑑みて、ぼくの中の「美」に則したものを提供したいからです。
ただ、どうしてもブリーチが必要なカラーがあります。
カラーリングとは、染める前の残留染料+元々の色素vsカラー剤の脱色作用+染料のせめぎ合いであり、明らかに求めるカラーを目指すと前者が勝つ場合はブリーチで弱らせる必要があるのです。
そう。弱らせる。
つまりはダメージであることは間違いないわけで、そこは覚悟と理解を頂くしかないのが苦しいところ。
しかし、そんな中でも極力自分が求め、お客様も望んでいるであろう「美」を守るために最善を尽くすのが美容師としての本懐でもあります。
前置きが長くなりましたが、今日いらしたお客様。
ブリーチしないと厳しいタイプのグラデーションカラーをご希望でした。しかし、お客様ご自身は小さいお子様がいらっしゃり念入りなホームケアや短スパンでのご来店などしやすくはない環境。
それに加え、色も抜けやすくなかなかベストな状態が長続きしないという髪質。
ご自分でもブリーチはなるべく避けたいとのことで今までは通常のカラーをしていました。
前回はブリーチではなく通常のカラー剤で明るく出来るところまでして色を入れグラデーションカラーに。
普通に均一なカラーを楽しんで頂いていたので普段とは違う仕上がりにはなったものの、やはりもっと攻めたカラーがしたいということで今回はブリーチする決心をされていらっしゃいました。
そこでぼくからひとつ提案させて頂いたのが
ハイライト×グラデーション
グラデーションで明るくする部分を全てブリーチするのではなく、細かめのハイライトを配置するやり方。
そうするとブリーチするのはハイライト部分だけですので、それ以外の部分は通常のカラーと変わらない負担ですみ、なおかつ動きも出る。
褪色もブリーチ部分は早く進みますが、色をキッチリ入れてもハイライトだと「エグみ」も出にくいです。結果、黄色っぽい感じになりにくくもあり一石二鳥。
さらにハイライトを絶妙なバランスで配置するので普通に下ろしているとそこまでハイライトが主張せず、グラデーションとの境目もぼかしてくれて派手過ぎたり下品に見えたりしない仕様に。
オトナ女子の為のハイライト、その名も「ハイドライト」
よく見るとわかる程度にブルーグレーの色みがしっかりと入ったハイライトを。
これが全体の明るさと色みにアクセントを加えてくれます。
そして、巻いたり結んだりして光が透けるとエモさ炸裂の透明感&あか抜け感MAXのグレージュカラー。
これぞオトナ女子に贈るこだわりの隠しハイライト。
何でも名前を付けたくなる厨二病こじらせ系おじさんのぼくはこれを「隠すハイライト」→「hideハイライト」→「ハイドライト」と命名します!
これからの暖かくなる季節。環境的にやれる方はこういうのにチャレンジしてみてはいかがでしょうか!?