むかしむかし、あるところに毛根国という国があったそうな。
そこは機織りと染物で財を成すそれはそれは裕福な国じゃった。
若く勢いのある者ばかりで活気づく毛根国には、仕事に着く前の者が暮らすバルジ村という村があって、そこを卒業すると毛母村に行って働くのが習わしじゃったそうな。
バルジ村におる若者は色素幹一家と毛包幹一家に別れており、それぞれ毛母村に行って毛包細胞屋という機織り工場と色素細胞という染色工場で仕事をすることになっておった。
それはもうみんな働き者で来る日も来る日もはたを織っては色を付け、キレイな反物をつくっておったそうな。
じゃが、しかしそんな幸せな生活も何10年もたった頃に狂いはじめてしまった。
食事することも忘れるほどに仕事に精を出し、朝から晩まで働いておった国民は知らず知らずのうちに疲れやストレスが溜まっておった。
それに加え、ある日宇宙から紫外線という恐ろしい敵が攻め込んできたそうじゃ。
休むことも忘れ働くうちに歳をとり、自分達の身体のメンテナンスをすることもしなかったバルジ村の色素幹一家は子供に恵まれなくなってしもうたのじゃ。
すると、染色工場の働き手が減り、織りがってきた反物全部を染めることが出来なくなってしまったのじゃ。
仕方なく色を付けずに送り出した反物は「白髪」と呼ばれ、忌み嫌われるようになってしもうた。
忌み嫌われるようになった「白髪」は送られていっても捨てられ、こんなもの要らないと言われてしまったそうじゃ。
バルジ村では相変わらず人手不足で「白髪」を作るしかなく、それが嫌われていると知った毛根国の民はそれはそれは悲しんで、捨てたところには反物を送らなくすることもあったそうじゃ。
それを見かねたお国主様は美容院という国へ行き「ヘアカラー」という技術で反物をそれはそれはキレイな色に染めることにしたそうな。
それに加えお国主様は国民に仕事の疲れをあまり溜めないようにお触れを出し、美容院のヘッドスパで疲れを癒すことを国民に奨励したところ、国民はまた活気づき中にはまた働き出す染色工場も見られ、国民は幸せに暮らしたそうな。
めでたしめでたし