仙台のキラーナという美容室で美容師をしております。スズキユタカです。
就職、進学、人事異動、、、
様々な環境の変化の起こる4月という時期。
この時期に限らずですが、美容師を悩ませるお客様からのご要望。それは…
黒染めを明るくしたい
何かしらの理由があり、不本意ながら髪の色を黒くしなくてはいけなかった方が「明るくしたい」となる場合。
あらかじめお断りしておくと基本的にはぼくは黒くした髪を明るくするのはお断りするスタンスです。
特に他店で黒くされた方は使用した薬剤やこれまでの履歴も分からないため勘に頼る部分も多く、ダメージや仕上がりの面で責任を負えないからです。
むしろ、自分のお客様であれば暗くする時にいつどのタイミングでどういう施術内容で明るくするのか。場合によっては使う薬剤まである程度考えた上で。
そこまで想定して暗くするし、ぼくのお客様が明るくするとなった時は必ずぼくにやらせて欲しい。
ぼく自身がそういう考えなので、暗くしてくれた美容室に行かれるのが確実かと。
ただ、サロンワークにおいてはクオリティを大事にしていきたいのが念頭にあるので「やらない選択」をすることでもチャレンジして限界を再確認しておくことも大事かな、ということで
黒染め履歴があるモデルさんを召喚。
ひとつ、前もってお伝えしたいのはこのモデルさんは黒染め前にはブリーチなどもしており、ハイトーンだったということ。
その履歴があるかないかで仕上がりは全く変わってきます。
そしてブリーチ無しで黒染めを落とすのはかなり至難の業ですのでダメージ覚悟の上、なおかつギャンブル性の高い施術になることも付け加えておきます。
まずはこういう時の必殺黒染め落としシャンプーを。
シャンプー台で黒染めの染料を削ることの出来る薬剤を使い、明るくしやすい土台作り&行けるかどうかのジャッジを。
このモデルさんはブリーチ履歴があったので、比較的明るくなりました。ぶっちゃけこの状態はラッキーです。ここまで黒染めが抜けてくれれば色を表現する土台としては十分。
モデルさんは以前ハイトーンだったのもあるので、この際がっちりハイライトを入れちゃいます。
たいていの場合はあまり明るさが出ず、ここからもう一度明るさを出すためにカラーするか、この時点で黒染めがビクともしなければ残念ながらお断りする場合が多いです。
ということで、ハイライト。
以前がハイトーンだった方なのであまり手加減せず。
あ、その前にカットもしてます。
スッキリマッシュショートボブ。
ハイライトもしっかり色が抜けたのでこれを活かしてエッジの効いたシャレオツグレーマッシュ。
ハイライトのグレー感がエグいほどにいい感じですね。
しかしながら、パッと見でめちゃくちゃ派手な感じにもならないように。
しかしながら=However
グレー=GLAY
そう。このスタイルはGLAY/HOWEVER。
それではお聞きください。
慣れない黒染めの染まらぬ色に
迷いそうな時にも〜
暗闇を駆けぬける勇気をくれたのは
ハイライトでした〜
フゥ〜ゥ〜ウ〜⤴︎
絶え間なく注ぐ灰色も〜
永遠にもつ訳じゃないけれど〜
ダメージを抑える事が どうしてもできなかった
ブリーチの意味を知るぅ〜
このモデルさんは履歴的には暗くした時の薬剤も含め明るくしやすい状態でした。
それでも(狙う明るさにもよりますが)通常よりはダメージ的にも施術時間的にもすんなり行くことはほぼありません。
そして、それでも希望通りになるかは複雑な条件が入り乱れ確実性は高くはないです。
黒くした日の胸騒ぎを〜 アガらない週末を〜
染料残るその髪を〜 気の強いブリーチを〜
あなたを彩る全てを抱きしめて
じっくりと染めていく〜
やわらかな色目指すぅ〜 この場所でぇ〜
ということで、基本的には黒くする時は明るくする時のことも考慮した上で美容師さんとしっかり相談しながら染めることをオススメします。