仙台のキラーナという美容室で美容師をしております。スズキユタカです。

今年も残りあと10日を切りました。
今日は比較的落ち着いたご予約で泣いていました。

そんな中、うちを退社したスタッフが担当していたお客様を初めて担当させて頂いたのですが、その方は胸上くらいの髪をバッサリ切ってボブにさせて頂きました。

ダメージが気になるとのことで、鎖骨下あたりの長さかなぁ…みたいな話からカウンセリングがスタートし、色々ご提案していく中でボリュームが出にくいのが気になることやあまり手間はかけたくないことなどのお話からアゴ下のボブをご提案したところ「じゃあ、お任せします」と言って頂けたので。

カットしながら普段のお手入れはどんな感じかとか、長い目で見てどうしていきたいかとか、ラーメンなら何味が好きかとか、おすすめのラーメン屋はどこかとか、あそこのラーメン屋は人気の割にイマイチとか、あそこのラーメン屋は穴場だとか、ラーメン屋のお家でのお手入れや今後のスタイルのご提案も交えてお話し、最後に鏡を見せた時にお客様がふと「切ってよかったぁ」と一言。

これですよ。

世の中、やれシェアサロンだヘアスタイルの盗作だ低価格だ高単価だ仮想通貨だ紅白に安室奈美恵出演だとかゴニョゴニョしてますが、（決してこれらを否定する意図はありません。）結局お客様にぼくがその人にとってこれがいいと思うものを提供し、喜んでもらう。

それだけの話ですよ。

ぼくは基本的にはカラーで他の誰にもできない誰もやらない世界を提供したいと思っていて、でもそれにはカットはもちろん付随してくるし薬剤を使うからにはダメージケアもしなくてはいけない。
そういうトータルな部分でお客様に喜んでもらいたい。

もしかしたらそのうちカラーなんてしなくていい！ってなるかも知れないし(たぶんならないけど)、いつかは美容師自体に魅力を感じなくなるかもしれないし(たぶんならないけど)、それでもそういうお客様のたった一言で今日1日の、数ヶ月、数年の自分のやってきたこと全てが報われたと思うような簡単な男です。ぼくは。

今はサロンの状況的にご指名の方以外はほぼ携わらないようになり数年が経ち、こうして初めましての方の髪をしっかりと作り込む機会は多くはなくなっているのですが、まだまだぼくはそういうちょっとしたことに一喜一憂するくらいの感度は保ててることを再確認しました。

まだ早いですが来年はもっとたくさんの方と触れ合い、自分の真価を問う一年にしていきたいな、と。
美容師の本質を追求し、より多くの方にそれをぶつけたい。
決して安くはない料金を頂いてきている中でその価値をしっかり感じて頂ける様に己を向上させて行かなければ、と。
もちろんその為には残り数日の年末もしっかりお客様と向き合い、一年間の感謝をお伝えしていきたい。

ふとそんなことを思った週末。

お客様の何気ない一言でメンタル揺さぶられるくらいにはピュアです。根は真面目です。

明日も頑張るぞい。