仙台の美容師 スズキユタカのブログ/美容室via@仙台

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ぼくの中の「愛」の答え

約1分

仙台のキラーナという美容室で美容師をしております。スズキユタカです。

昨日、突然何かが届きました。

飲…
料…
水…

あっ!!

これだ!!

他メーカーの名前を大々的に出したのにも関わらず選んで頂いて逆に申し訳ない…

かわいい…
パッケージデザインは「雪下まゆ」さん。
動くイラストとか、惹き込まれる作品ばかりですね…

ありがたくスタッフみんなで頂きました。

お礼というわけではないですが「髪が変わる」とは少し違うのと、作り話みたいな出来事だったからその時もそうだし、むしろ今まであまり話してこなかったはなしをしようかな、と思います。

※めちゃ長いです。



ぼくの祖母のはなし

祖母の正確な生まれ年は分からない。
ただ、70も近いぼくの父が四男なのを考えると戦時中を生きてきた人なのは間違いない。

そんな祖母はその世代にしてはいわゆる「お嬢様」だった。
そこそこいいとこの家の生まれで、きちんと「女学校」を出て可愛がられて育ったらしい。これは本人も認めていたし、いわゆる「箱入り娘」として育ったことに幾ばくかの後ろめたさをもっていたのかもしれない。

そんな祖母が連れ添った祖父は文武両道を絵に描いた様な人で、父からはそれ厳しい人だったと聞いている。
が、初孫のぼくはそんなことはみじんも感じたことも無く、とても優しく穏やかで「暴れん坊将軍」と相撲中継が好きな「いいおじいちゃん」の典型的な人だった。

共働きだった両親の代わりに祖父の家に預けられることも少なくは無かった。物静かで優しく微笑んでいる祖父と、ジュースやお菓子を次々と出して甘やかしてくる祖母。
玩具を買い与えてもらうことも多く、迎えに来た両親が甘やかし過ぎだと祖母を叱ることもあった。
そんな時でも祖父は優しく微笑んでいて、帰り際にはいつも力いっぱい握手をした。
「お、力が強くなってきたな」などと褒められるとそれだけで本当に強くなった気がしていた。

祖父の入院

たぶんぼくがまだ小学校を卒業する前だったと思う。一人で留守番するのが当たり前になったぼくは自然と祖父の家に遊びに行くことが減っていた。
そんな頃。
祖父が入院をした。
最初は風呂場で転んでちょっとした骨折をしただけだった。
大したこともなく、ぼくも見舞いに行った記憶は無い。ただ、もう80を超えていた頃だったのだろう。治りは早くなくいたずらに入院期間が長かった。

そんなある日。

ぼくは両親が家督である叔父さんと急に慌てた様子で何やら相談していることに気付いた。
なんとなく、子どもが出る幕では無いことを感じ黙っていたがただごとではない雰囲気は察していた。
しばらくして父親から聞いた事実は、その頃のぼくには正直どの感情を呼び起こせばいいのかわからなかった。

一言で言えば「漢(おとこ)」だった祖父。
病院でパジャマに着替えるのにわざわざ息子より歳の若いナースを呼びつけて手伝ってもらわなければいけないことが自分の中で許せなかったらしい。

一人で着替えようとして転倒。
頭を打ちつけてしまい脳卒中に。
祖父は言葉を失い半身麻痺になった。

しばらくは病院に入院し、その後は祖母と二人暮しの生活に戻った。そうなってからは見舞いに行くことも多くなり、時にはぼくの家に呼び狸の置物のような体型の祖父を、鶏ガラのような体型の父親とぼく二人がかりで風呂に入れたりもした。

祖父が元気だった頃よりも会う機会も増え、今のぼくの記憶はその頃の祖父しかほとんど残っていない。
言葉を発した祖父の記憶は霞みがかっていて、その反面、帰り際の握手が左手になったことはよく覚えている。

祖母の豹変

そんな祖父が特別養護老人ホームにお世話になることになった。
息子や孫に世話になるよりも観念してプロのお世話になることの方が本懐だったのだろう。
祖父もすぐに馴染み、父も叔父もその施設のお世話になれたことに安堵していた。

しばらくして予期せぬ事が起きていることを知った。
祖母の痴呆が進み始めていた。
お嬢様だった祖母は仕事をすることもなく、4人の男の子を育て、専業主婦として祖父に寄り添って生きてきた。
家族の、祖父の世話をするのが生きがいだったのだろう。

一人にはしておけないが、父も叔父も仕事がある。
何かしら理由をつけては入院させるが、特段具合が悪いでもない祖母。
それに、はっきりぼくは聞いていないが入院中に暴れたりもしていたようでますます病院からはすぐに退院させられていた。

その頃、ぼくは1度も見舞いに行っていない。
むしろ両親が行かせたがらなかった。
しばらくして老人ホームに落ち着いた祖母。
その時、1度だけ見舞いに行ったが言われた一言は「あんた誰?」だけだった。
母親はよく分からない理由で怒鳴られていたし、父親もどうやらはっきり誰なのか認識されていないようだった。
元気だった祖母は本当に甘やかしてくれたが、物心ついた頃からそれがなんとなくぼくは嫌だった。
そして、甘やかすどころか見る影もなくなった祖母はますますぼくの中で距離をおきたい存在になった。

来るべき日

たしか高校2年生の冬のはじめだった気がする。
祖父が亡くなった。
半身麻痺のまま、10年近く生きた祖父。
強い人だった。

祖父が亡くなったことは同時に苦手な祖母と会わなければいけないんだという靄がかった感情を呼び起こした。

通夜までのあいだ、葬儀社に家族で集まり最期を一緒に過ごすことになった。
たぶん部活をしていたんだろう。ぼくが葬儀社に行ったのは日が暮れてからだった。

そして、祖母といつぶりか分からない再会。

なんて言えばいいのか、驚いたわけでもないし違和感があったわけでもない。

そこにいた祖母は祖父が元気な時に隣にいた祖母だった。
ぼくが一度だけ見た、言い方は悪いが「まんが日本昔ばなし」に出てくる山姥のような恐怖さえ感じた祖母は幻だったんだろう。そう思えた。
涙を常に浮かべながらも穏やかで少し疲れた顔の祖母がいた。

葬儀の日

祖母は、祖父がお世話になっていた特別養護老人ホームに最後の数ヶ月だけ同じ部屋で過ごした。
本当はその施設に入る条件を満たしていない祖母だったが、祖父の先が長くないのもわかり施設の方のご好意で最期を看取るまでは同じ部屋に入所させてくれたのだ。

葬儀の時に挨拶したのか、ぼくらとただ会話したのかは記憶にないが今でもぼくの中で「愛」を考える上で必ず思い出す話を祖母がした。

「わたしは最期におじいさんと一緒に過ごせて幸せだった。おじいさんがいなくなったのは悲しいけど、わたしはおじいさんが生きれなかったぶん代わりに最後まで元気に生きる。」

祖母は、祖父と同じ部屋で過ごすようになってからどこへ行くわけでもないのに毎日化粧をして、ぼくの両親や叔父一家が行くたびに「美容室に行きたい」と言っていたそうだ。

祖母にとって、最期に祖父と過ごした数ヶ月はどんな病院で治療を受けるよりも若さと生きる意味と「女性」を取り戻すのに必要なものだったんだと思う。
それから祖母が山姥になった記憶は1度もない。

そんな祖母も、今は祖父とまた一緒にいる。
優しく微笑んでいる祖父の横でお茶をいれているんだろうと思う。
そんなことをたまに思うと、ぼくのやっている仕事もいつかそういう場面の一部になる可能性に少しの緊張を感じ、そんな場面は知らず知らずのうちにやってきていて、その時に必ず応えられる美容師でいなくてはならないと身につまされる。

髪の話だけでは無いが、ぼくが今まで1番「変わった」と思う話。

寒くなる前に墓参りにでも行かなきゃ。

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宮城県仙台市青葉区の美容室、viaオーナー。
「その人に寄り添うヘア」をモットーに手入れのしやすさ・自然なのにキマる髪型を追求しています。ライフスタイルに合わせた上質なカラーとダメージを感じさせない縮毛矯正が得意です。
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