どうも。ジャーナルさんことスズキです。
一言も発せず、ただキャップとTシャツと松山千春に頼っただけの名古屋初日を終え、二日目。
前日の夜、表立ってはポーカーフェイスを演じていましたが心中では気が狂ったかのようにはしゃいでいたわたしはすっかり疲労困憊。
ホテルに着くなりパン1で寝落ちしていた。
その結果、つまり、あれだ。
寝坊。
急いで支度をして、名古屋駅に向かってタクシーに乗り込みましたが土地勘の無いわたしは完全に逆方向に走っているタクシーを止めた。
舌打ちまじりの「はい」の余韻を噛み締めながら名古屋駅に着き新幹線に乗る込み前日の夜の宴の模様をブログにしたためながら道程を再確認するぼく。
うむ。間に合いそうだ。
そう。今日は前から会いたくて会いたくて仕方なかった人にやっと会いに行けるのだ。
仙台にいると新幹線では見かけなくなったこの文字を眺めながらその人への想いを馳せていた。
名古屋駅から揺られること30分ほど。
名古屋は小学生のころ、家族旅行で訪れたことがある。実家にはその時にお土産に買った名古屋城のミニチュアがまだ居間に飾ってある。
なぜぼくが買ったものが自分の部屋ではなく居間なのかは謎である。
とにかく、名古屋は記憶にはほぼ無いが未開の地ではない。しかしここからは違う。
未開の土地に足を踏み入れる。
『米原』
正直、よねはら だと思っていた。まいばら だった。それに気づいた時にぼくの頭には「元悪の組織の一員のシェリー」しか浮かんでこなかった。
そう。
名探偵コナンの「灰原」だ。
しかし、よく考えたらコナンはよく知らない。
ぼくら世代は「灰原」より「海原」と相場は決まっている。
そんな帝都新聞の至高のメニューが頭をよぎりながら今度は在来線に乗り換える。
彦根を超えた。そろそろだと思ったら西彦根があった。東彦根を越えた覚えがない。道に迷ったかも知れない…
そんな一抹の不安が頭をよぎった頃だった。
そう。誰もが知っているこの駅舎。
ここが聖地である。
『稲枝駅』
工事が終わりきらないほど新しい駅。
そもそも東口と西口、どちらから出たらいいのか分からない。ここで普通なら駅員さんに聞くのが一番手っ取り早い。
しかし、舐めてもらっては困る。
そんなことはしない。
ぼくが前日の夜から見せつけてきたことを忘れたとは言わせない。
極度の人見知りだ。
1人で駅員さんになど話しかけられるわけがない。
ぼくにはGoogleMAPが付いている。
そしてここで時間を確認すると万が一間違っていても駅まで引き返して逆の出口から出て同じ距離を移動する時間は何とかある。
とりあえず駅から真っ直ぐ伸びる道をひた歩く。と言っても五分ほどだ。
見えた。
フレンドマート
勝った。
GoogleMAPにあった唯一の目印。稲枝で一番人の集まる場所。フレンドマートだ。ここが稲枝の、いや、世界の中心。
ここでぼくはやっと少し心を落ち着けた。
インスタ映え pic.twitter.com/TNCT6FFQMb
— スズキユタカ【寒色の貴公子】 (@kiranasuzuki) September 26, 2017
フォトジェニックなコーヒーを、いや珈琲をインスタ映えするロケーションで飲み、心を落ち着けながらこれからの作戦を整理する。
第一声はなんて言おう。
「はじめまして!こんばんみ!」
これは古すぎる。
「頼も~う!」
これでは道場破りかなにかになってしまう。
「ちわーっ!スズキでーすっ!」
これでは勝手口から入らないといけない。
気付けばそろそろ向かわなければいけない時間だ。作戦がまとまらないままだが、ぼくはいつも本番に強い。追い込まれて初めて本領を発揮する。
いざ!
フレンドマートを後にして歩くこと二分。
着いた…
ついに辿り着いた…
ぼくは思った。
三蔵法師はガンダーラを目指し、孫悟空、猪八戒、沙悟浄を連れて旅をした。
しかし、ぼくは単身でこの素晴らしいユートピアであり愛の国に辿り着いた。
ぼくは三蔵法師を超えた。
aura(アウラ)
ガンダーラではなかった。
しかし、GoogleMAPは間違っていないしそもそも目的地にぼくは自分でアウラと入力していた。
間違いない。ぼくが3年もの間、恋焦がれていたあの人にやっと会える。
ヒロユキさん
恐る恐る、ドアを押そうとした。
自動ドアだった。
そして、ドアが開いた。
今こそ勝負の時。
人の印象は第一印象で90%決まるとも言われている。
ここで効果的な第一声で今から過ごす時間の空気感が決まる。
行け!スズキ!
「は…はじめまして。ス…スズキです。」
中途半端な苦笑いで軽いおじぎをしているぼくがいた。(笑)でも(爆)でもない。(苦)である。
そうだった。いくらSNSやLINEでしょっちゅうやりとりして顔も声も知っているとは言え初対面。
ぼくは極度の人見知りだ。
しかも、店内には奥様もいらっしゃる。
どう考えても、750キロ以上離れた仙台から在来線→飛行機→新幹線→在来線という道のりを経て、アラフォーの男が自分の夫に会いにだけ来るとか狂気の沙汰でしかない。
でも、ぼくには自信があった。
挨拶も失敗した。
奥様にも(苦)のまま会釈した。
それでもぼくには秘策があった。
これである。
ぼくはホテルのチェックアウト、新幹線、在来線、フレンドマートとこの「汚物は消毒だ!!Tシャツ」でくぐり抜けてきた。
そう。これこそ、アウラと滋賀を守るぐう聖、ぼくが会いたくて会いたくて震え続けてきたヒロユキさんからの頂きもの。
ぼくとヒロユキさんを繋いでくれるこのTシャツで掴みはOK!なのである。
しかし、神様は意地悪だ。
ぼくは正直、THROW journalはついでだった。
今日、この時、この瞬間のために750キロを旅してきた。(※ウソです。THROW Tシャツとキャップは合計一万円かけてます。BEXさん、まだ何の連絡も来てません。お待ちしてます。)
昔、ブラックビスケッツというグループがあった。「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」でウッチャン、ウド鈴木、千秋が結成したポケットビスケッツに対抗してナンチャン、天野、ビビアン・スーが結成したグループだ。
(余談だが、恐らくぼくが初めて恋をした外国人はビビアン・スーだ。)
そのブラックビスケッツが言っていた。
ズレた間の悪さも それがキミのタイミング
ぼくが自動ドアを開けた時、前のお客様が丁度帰られるところだった。
どんなにいいことだって間が悪いとカチンと、きたりねってビビアン・スーが言っていた。
同業者だから分かる。これはマズイ。
お会計をして頂いて、ある意味今日来て下さってありがとうございましたを一番伝えたい場面。
そして、一方、気軽にネット予約が出来るようになった弊害でもあるドタキャンが横行する昨今、ご予約頂いたお客様がきちんと来て下さって心からお出迎えをしたい場面。
ほこ×たて
どちらを優先するわけにもいかないし、どちらも優先したい。
そんな心境が痛いほど分かる。
やってしまった。駐車場には車が2台。
アウラはヒロユキさんと奥様2人で切り盛りされている。察すれば分かるはずだった。
ぼくはあまりにも会いたくて会いたくて震え過ぎてドアに手をかけてしまった。
いや、正確には手をかけようとして自動ドアを反応させてしまった。
西野カナよりひどい。むしろ東北から来ているから東野カナである。
苦笑いしながらの挨拶を終えると、そそくさとぼくはお帰りになるお客様の邪魔にならないところへ自分の身を追いやった。
それをぐう聖ヒロユキさんが見逃すわけが無い。
「こちらで少しお待ちください。」
席に通された。
そして、ここで第2のミスに気付く。
ジャケット着てた~!!
そして謎の内股~!!
これでは「汚物は消毒だ!!」どころか、聖帝軍の兵士の顔しか分からない。顔だけで見ればジードの雑魚キャラとほぼ同じだ。
恐らく北斗の拳の各巻に1人はこんなキャラが出てくる。
お客様をお返しになりぼくの元へやって来たヒロユキさんにジャケットを預けたが、案の定最初のいじりは
THROW journalキャップだった。
ヒロユキさんがブレまくるほどのショック。
気を取り直して、カウンセリングをしてもらい早速カットに入った。
再三お伝えするが、ぼくは極度の人見知りだ。
いつも店のスタッフにカットしてもらうし、カラーもアシスタントの練習モデルになる。
ぼくは美容室が苦手だ。
美容師として自分の店でお客様をやるのは大好きだし、それしかぼくが輝ける場所はない。
しかし、お客様側になるというのはどうも苦手だ。特に初めての美容室。
やりたいスタイルとかはほぼ無い。
むしろ、ぼく的には「プロなら察してそっちが決めろよ!」と思ってしまう。
タクシーで大して距離も混雑度も変わらない道を「どっち行きます?」と言われるのと同じだ。
お前が判断しろ!プロだろ!そこも含めて料金払うっつってんだよ!
なので、ぼくは自分のお客様に対しても極力カウンセリングでは細すぎて答えられない選手権は開催しないよう、察する能力を磨いているつもりだ。
ヒロユキさんのカウンセリングは非常に心地よかった。これはお世辞でも何でもない。
ぼく的にはベストな尺で、短くされ過ぎることも思ってたより長かったとかなることも無いのが伝わるカウンセリング。
ぼくからは「短くしちゃってください」しか言っていない。
ヒロユキさんからは「前髪どうしますか?」くらいしか聞かれた記憶が無い。
その情報から、ヒロユキさんはこういう感じで行きます。とスタイルを決めてくれた。
たぶん、ヒロユキさんはアトゥム神のスタンドを使って心を読んでいるに違いない。フルネームはヒロユキ・I・ダービーだと思う。
そう思えるほどにぼくの心中を察してカットしてくれた。
時には「ここは短くしちゃいますね」と、要らない部分はしっかり短くしてくれた。
手際よくカットが終わりクロスを取る。
そしてヘッドスパ。
オシャレな美容室の3件に1件は取り扱っていると言われる「オッジィオット」を使ってのヘッドスパだ。
ちなみに、オッジィオットの取扱サロンがこのエリアでどれくらいあるのかホッ〇ペッパーで検索してみた。滋賀では6件しかヒットしない。
アウラは無かった。
ヒロユキさん、今すぐ設定してください。
そんなオッジィオットで極上のヘッドスパを受けた。
これを言うのは今回が4度目だが、あえて言おう。人見知りであると!
ヘッドスパなんてしようもんならぼくは極度の人見知りから、頭皮をほぐされたそばから頭皮が硬直していくであろう。
しかし、アウラの、ヒロユキさんのヘッドスパは違った。安心感のある手で包まれながら指圧され長旅で疲れた頭皮や首周りがどんどん解れていく。
ぼくに見えている景色は見知らぬ天井だったはずが、いつしか桃源郷になっていた。
あぁ、ここはアウラでもあって、やはりガンダーラだったんだ。。。
恐らく、ぼくはスパ中に1度死んだと思う。
そして、生まれ変わった。ぐう聖に。
ぐう聖のヘッドスパは受けた人をもぐう聖にするヘッドスパだった。
もしかしたらぼくはヒロユキさんにぐう聖の肉の芽を植え付けられたのかもしれない。
そんなことを思いながら、席に案内された。
そして、忘れかけていた頃にその瞬間はやってきた。
「そのTシャツ!」
しかし、やっと全てのミッションを終え、2人に笑顔が生まれた。
間違いない。やはりアウラは笑顔を産む美容室だ。
だが、忘れてはいけない。
実はミッションはもう一つ残されていた。
ポルカ。
そう。ぼくは人のお金を使ってここまで来たのだ。
そして、支援のおかえしとして
とんでもなく雑なおかえしを設定した。
何も考えていなかったのだ。
しかし、予想外に22人もの支援者が集まってしまった。正直、ぼくはTHROWキャップとTシャツで全てを出し尽くしている。もうこれ以上何かするのはめんどくさい。
だが、ぐう聖の肉の芽を埋め込まれているぼくはこの支援者の方々への感謝の気持ちが自然と湧いてきてしまう。
これは完全にヒロユキさんの責任だ。
全く何に使うか考えていないがとりあえずサインしてもらう。フレンドマート内に運良く隣接していたダイソーでさっき買ったばかりの色紙を前にヒロユキさんのペンは止まった。
これはマズイ。
書く前からスベる空気が漂っている。
そして、これを見てほしい。
さっきの写真と画角が違うだけに見えるだろう。しかし、そうではない。
お気付きだろうか?
ペンが増えている。
そして色紙の大きさが変わっている。
そう。
書き直しである。
泣きの1回。
1枚目を書いた時点でぼくの3度目の(苦)が出た。
ヒロユキさんはそれの数倍の(苦)だった。
色紙はサイズ違いのものが三枚セットで売っていた。
ぼくは無言のままに二枚目を差し出した。
ヒロユキさんは無言のままうなづいて二枚目を受け取った。
出来上がりは最後に2人で、なぜか煽りまくって撮った自撮りツーショットで察して頂ければ幸いである。
そして、支援者の方は気を長く持っておかえしを待っていて頂きたい。
ぼくはアウラを後にして調子に乗って名古屋駅でひつまぶしを食べていたら時間配分をミスり、空港で放送で名指しで呼びだされるくらい濃密な時間を過ごしてきた。
燃え尽き症候群である。
バーンがアウトしている。
今世中にはおかえしを何か考えて送る所存だ。
この記事をここまで読み切れたという事はそれくらい待つヒマはあるはずだから。
これにてぼくの名古屋~滋賀の旅は完結。
改めて、2日間お世話になった皆さんありがとうございました。
お招きいただいたBEXの皆さん。
なかなかお会いする機会の無いのに気さくに話しかけていただいたジャーナルの皆さん。
何度か顔を合わせていつも仲良くして下さる関東の皆さん。
初見、もしくは2度目なのに色々お気遣い頂いた愛知勢の皆さん。
無茶振りに次ぐ無茶振りに応えてくださったヒロユキさん、奥様。
本当にありがとうございました。
これでまたぼくはTwitterの世界に戻りますが、忘れないでください。
極度の人見知りです(苦)
そして、滋賀県民の皆さん。
現代のガンダーラはここです。