仙台のキラーナという美容室で美容師をしております。スズキユタカです。
みなさん、先日行われていたBuzzCampという企画をご存知でしょうか?
先日、南三陸町で行われた記事作りの勉強会であり、そこにはネット界隈に携わる方をはじめ色んなジャンルの数十名の方々が参加していました。
Twitterでそれを知ったぼく。
震災当時、従兄弟が南三陸町で仕事をしていて津波にのまれながらも奇跡的に生還したこと、友人が建てて間もない新居を津波にやられ、身を寄せていた避難所にボランティアに行ったこと、高校の後輩が帰らぬ人となったこと。
仕事もまともにすることが出来なかった時に自転車であちこち走って炊き出しやら営業しているお店の情報を発信することくらいしかできず、そのために始めたのがTwitterでした。
今となってはそんな崇高な目的もなくただ意味不明なことを羅列するだけのアカウントと成り下がってしまいましたが…
そんなTwitterのタイムラインに流れてきたのがBuzzCampのことでした。
それを見たぼくに浮かんできたのは震災復興への光でもなく、数多のブロガーさん達への羨望でもなく、ただ純粋に
ウニ美味そう…
これでした。
「震災復興のために」とか、「経済を回す」とかぼくにはそんな財力も影響力もありません。
ただ、「うまいものが食いたい」そして「それを晒してドヤりたい」これだけです。
承認欲求の塊ですね。
そもそも、ぼくは以前の記事にも何度か書きましたが自分の無力さを震災からたった2ヶ月で痛感しています。
ボランティアに行った先の避難していた漁師の友人から言われた一言。
「今は食料や日用品とかの物資より仕事と仕事のための道具が欲しい」
「被災地支援」とか「復興」とかを舐めてたな、とその時から考え方がガラッと変わりました。
ということで車を走らせ、やってきました。
『南三陸さんさん商店街』
震災で無くなってしまったお店が軒を連ねて、再開した商店街は、平日の昼間の割に活気に溢れていました。
そしてお目当てはこれ。
南三陸キラキラ丼
ウニに愛されウニに愛された男になるべく、さんさん商店街の中の1軒、弁慶鮨にて『キラキラうに丼』を所望しました。
店内もほぼ満席。いくら昼時とはいえ平日です。いやがおうにも高まる期待値。
そして…
出、出、出〜〜〜〜〜〜!!!
出たぁ〜〜〜〜〜〜!!!
見渡せば360度ウニに囲まれたんではないかというほどに盛られたウー&二ー。
黄金色に輝くウニ…
ジ〇リ作品で言うところの「青き衣を纏いて金色のウニに降り立つべし」といった情景が眼前に広がります。
そして、追い打ちをかけるように…
南三陸の新たな復興のシンボル、「あまころ牡蠣」
はち切れんばかりに艶やかにその身を震わせるカー&キー
ジブ〇作品で言うところの「どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんのかわいそうなロボットを操っても、牡蠣から離れては生きられないのよ。」というくらい強力に食欲をそそって来るミルク オブ the シー。
とかふざけたこと言ってる間に即、完食。
もう身体の中が海で満たされてしまったんではないかというくらい堪能しました。
その後、母なる海を内包しながら商店街を探索。鮮魚店、文房具店、蒲鉾店、衣料品店、コンビニ…多種多様なお店が並んでいました。
その中の一軒、「ロイヤルフィッシュ」さん。
なんかもう魚屋っていうより市場ですよ、これはもう。
こんな光景、なかなか見れませんよw
店主のおじさん曰く、たまたま多く獲れたからと言っていた毛ガニ。
それにしても
こんな値段で毛ガニ買えちゃうとか、メ〇カリもびっくりですよ。あまころ牡蠣も200円とかでその場で食べれるようになってたりもして危うく牡蠣のおかわりするところでした。
ちょっと真面目な話します。
どこのお店も賑わっていて段々活気が戻ってるんだろうなと感じる反面、商店街のすぐ隣は見渡すかぎり砂利と土と重機。
ナビどころかGooglemapでさえ今ある道を案内できないくらいに新しい道が出来ている状況でした。
6年以上、こうやって来る日も来る日も整地して道を造ってそれでやっと、少しずつお店や人が出来ているんだろうな、と。
商店街から少し行ったところにある南三陸ポータルセンター。さんさん商店街内の写真店「さりょうスタジオ」にも常設の震災写真展がありますが、この南三陸町 ポータルセンターにも震災の写真展がありました。
印象的だったのは震災当時の写真スペースよりも復興してきて活気の戻ってきた笑顔の人達の写真を展示してあるスペースの方が広かったこと。
前向きなこれからの希望を感じることができて、少しだけ地域の方々の気持ちに触れられた気がします。
お土産などを売っている仮設店舗もあるのですが、そこにあった「つなみのえほん」。
実際に被災された方が描かれた絵本です。
そこにあった1文があまりにも印象的でした。
津波の到達した場所と逃れた場所の境界を見て
天国とじごくの真ん中にたっているようでした
ー引用:つなみのえほん
世間的に言えば「被災者」の一人になるのかもしれないぼくですが、そこにはぼくらには到底思い知れない何かが文字数には著されない形で存在していました。
そんな人達が少しずつ、6年という時間をかけて作った街。セブンイレブンでさえプレハブ小屋で出来ているのが現実。
そんな中でたくさん笑顔があって、活気に溢れていて確かな「生活」がそこにはありました。
復興?なにそれ?
ぼくはただそこを「うまいものを食いたい」というだけの欲求で訪れ、満たしてきただけです。
冒頭でも言いましたが、今さら「復興」だのなんだの大義名分を持って訪れる必要なんてない。
ただ、美味しいものがあって、そこに行かないと出会えないものに出会う。東京も大阪も京都もハワイも同じ。
南三陸町には南三陸町にしか無いものがあってそれを感じながら、そこに暮らす人の歴史と生活にちょっとだけ触れてきただけです。
そうやって行くことが、その土地の未来に繋がるのなら復興とかいうある意味浅はかな偽善に邪魔される必要ないんじゃないのかな、と。
とにかく言いたいのはウニ丼も牡蠣もカニも魚もうまい。ただひたすらうまい。海もキレイ。
だから皆さん、ぜひ南三陸に足を運んでみてください。
「うまかった」以上の何かを持って帰れるはずです。