仙台のキラーナという美容室で美容師をしております。スズキユタカです。

昨日から、ネット上で仲良くさせて頂いている美容師さんが烈火のごとく燃え上がっていました。

Facebookのコメント欄はそれはもう色んな意見が飛び交っており…

論点はふたつ。
1.穴あきボロボロデニム短パンはOKなのか？
2.スタッフを「ポンコツ」呼ばわりするのはOKなのか？

そもそもデニムとは？

そもそもデニムはゴールドラッシュの頃の鉱夫の作業着です。作業に耐えうる耐久性のあるパンツとして人気だったのです。
それをマーロン・ブランドやジェームス・ディーンが映画の中で着用したことでカジュアルウェアとして発展することとなりました。
しかし、映画の中での役柄が「反抗的な若者」だったため、当時は学校の中でも禁止されているほどだったようです。

デニムという名前はそもそも「セルジュ・ドゥ・ニーム」が語源で「ニーム(産)の綾織り」という意味です。その中の「ニーム産」という意味の「ドゥ・ニーム」が広まったようです。
一方、「ジーンズ」はというと、「セルジュ・ドゥ・ニーム」という生地を輸出したのがジェノヴァで、当時のフランス語でいうところの「ジェーン」だったのです。
この「ジェーン」が語源となり英語では「ジーン」になりました。
英語では両脚に着用すると複数形になる(pants,socks,shoesなど)ことからジーンの複数形としてジーンズになるわけです。

さらに、ダメージデニムはビッグジョンが始めた加工技術でわざと色落ちさせたり穴を開けたり破いたりして個性的なジーンズを作る、という手法です。
つまり、耐久性を求めたデニムの耐久性を低くするという自虐ネタなわけですね。

以上のことから、今回の一件についてぼくが思うのは

好きにさせたれ。

より色々な経験をしてきた先輩がNGって言ってんだからNG。その服を来てきたご本人もそれを納得したんだから、いいじゃない。成長できたわけだし。
外野さん達大集合だワイワイしなくてもさ。

スタッフの呼称について

太陽にほえろ！で故・松田優作さんが演じた刑事、柴田純をご存知でしょうか？
最後は殉職するわけですが「なんじゃこりゃあ」と名ゼリフを残していますね。
そんな彼のあだ名は「ジーパン」。いつもジーパンを履いていたからです。乱暴すぎやしませんか？

もっとひどいのは「ショーケン」こと萩原健一さんが演じた早見淳。
長髪にノーネクタイ、スリーピースという見た目がマカロニウエスタンのようだとからかわれたことから「マカロニ」になりました。
それを言ったのが先輩刑事の「殿下」ですから、明らかなパワハラです。

さらに、沖雅也さん演じる滝隆一は身の回りのものを全てイギリス製にこだわる刑事を演じていました。あまりにキザだったため、明らかに格の違う先輩刑事、ゴリさんに「スコッチ野郎！」と言われてから「スコッチ」と呼ばれています。これもパワハラです。
しかもまるでイギリスまでも巻き込んだ悪意あるあだ名です。

これを考慮した上で考えると

本気で悪意があったらそんな呼び方しないだろ。普通。

とぼくは考えます。
「のっぽさん」「出来杉くん」あたりもギリギリだし、「ブタゴリラ」にいたっては熊田薫ですからね、本名。本人が受け入れてるんだからいいんじゃないの？と。
そんなに不満なら七曲署にもクレーム入れないとですね。

結局、受け取り方は人それぞれでそれを声に出す方もいれば出さない方もいる。正義はひとつではないってことですね。
自分の正義を貫く、そんな姿勢の松浦さんがぼくは好きです。

ということで、ぼくの今日のご飯は穴あきパンツならぬ穴あきパンです。
いただきます。