仙台の美容師 スズキユタカのブログ/美容室KiRANA@仙台

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闘病中の兄貴へ

約 1 分

仙台のキラーナという美容室で美容師をしております。スズキユタカです。

今日のブログは本当にネタでも釣りでもなく、面白みも無いし楽しい話では無いので読まずに閉じてください。
ただ心の中に留めきれないのでここに置いていきたいだけです。

ぼくには美容師を志すきっかけになった人がいます。
その方との出会いは確か小学校高学年の頃。母親に連れられてずっと行っていた美容室でその方が働き出したのが初めてでした。
その方との記憶が上書きされすぎて初対面の時の記憶はもうありません。
高校生になって色気付いたぼくがヘアスタイルでおしゃれをするということを覚えたのもその方が教えてくれた気がします。
うちは家系的に親戚に教員が多く、何となくそのレールの上をなぞっていました。大学も教育系の大学に入りそのまま教員になるんだ、と志したというよりは自分のことながら傍観者的な心境でいたように思います。

しかし、とあることがきっかけでそこに疑問を持ち、自分の将来を白紙に戻した時期がありました。
そんな時期に髪を切りに行きその方にかけられた一言。
「美容師なっちゃえば?できそうだよね。」
もちろん決めたのも選んだのも自分。でもその一言がなければおそらく今のぼくはありません。

専門学校に入り、その美容室でバイトをさせてもらえることになりました。
そこで、本当にたくさんのことを学びました。間違いなくぼくの土台はそこで作られたし、間違いなくその方の影響をかなり受けました。
その方は回り道をして美容師になったぶん数年の遅れがあるからと、めちゃめちゃ努力をしていました。
でも、微塵も大変そうな気配もなく、むしろそれを楽しんでいて美容が好きでお客様が好きで「人」が好きなんだ、とまだ社会にも出ていないクソガキでもわかるくらいに輝いていました。
仕事に対する姿勢とかそういうのではなく、仕事って楽しいもんなんだっていうのをぼくは知らず知らずのうちに目の当たりにしていたんだなと、今となっては思います。

やっとお酒が飲める歳になったばかりな上に、体質的にもお酒が得意ではなかったぼくをしょっちゅう飲みに連れて行ってくれて飲めるだけ飲まされ、潰れれば家に泊めてくれました。アジアンテイストに仕立てられたトイレに篭っていた風景はぼくのお酒への恐怖を植えつけた風景でもあります。
狙ったように終電がなくなると「始発まで飲むぞ」と連れまわされその方のお知り合いの飲み屋で仮眠したこと。近所の回らない寿司屋でまともな日本酒を初めて飲まされたこと。その方の仲間とやっていたイベントで会場のスタッフに内緒で火柱の上がる装置をこっそり設置させられたこと。その方が海外に長期で行って、向こうで知り合った日本語がほぼ喋れない外国人のお友達と一時帰国し一緒に遊んだ時に、突然2人切りにされ言葉の通じない状態で放置されたこと。ぼくの人生で時間にしたら20%ほどの時間しか一緒に過ごしていないけど、濃密すぎて一人っ子のぼくにとっては「兄貴」であり「師匠」であり、若かりし時代のぼくの大部分を形成し、今のぼくを作った人です。
その方が海外に行ってるあいだ、やっていたイベントを引き継ぎ、そこから自分でもイベントを立ち上げたりもして、もしかしたらどこかで越えようとしていた第2の父親だったのかもしれません。

そして今日。
ぼくは新しく、とあるオンラインサロンに加入して、そこにある膨大な情報をfacebook上で漁っていました。
そして、操作を間違いfacebookのフィードが表示されました。
そこにはその方が病を患っていることが何とも軽いテキストで流れていました。病名だけ聞けば軽いものではありません。
どの程度の重さなのか、いつからなのか、状態は全く測れない内容でしたが聞くことはもちろん「いいね」はおろか、「ひどいね」も「悲しいね」も押す気にはなれずただただそのpostを眺めました。
ぼくはその人に一切のリアクションができませんでした。

それはその方が海外へ行かれ、ぼくも美容師としての自分を構築し、時間にも追われるようになり、そんな様々な言い訳からあれだけお世話になったその方との距離が開いてしまっていた罪悪感に近い何か、その方は心配も同情を欲していたり、ましてや構って欲しくてそんな投稿をする人じゃないという気持ち。
facebookにはアルゴリズムというものがあり友達全部のpostが表示されるわけではなく、交流度の高い人のpostしか流れてこない。
ぼくは思えばその方の数少ない投稿にほぼリアクションしてきていません。ぼくの中ではその方には「見たよ」の代わりのいいねは不毛すぎる気がしていたからです。なのでこの記事が目に止まるかどうかもわかりません。
届いて欲しいような、そっと今の距離感でいたいような葛藤の渦中にいます。

状態もわからず勝手なことをいうと、きっと大したことがないような気がしています。
ぼくにとってその方はどれだけ飲んでも酒に酔わず、朝まで飲んでも平然と次の日は仕事をし、たくさんのお友達に囲まれ、優しく大らかで自分を持った強い人です。何にも負ける気がしないのです。

ぼくの今の願いはいつかまた、この話を肴にその人と酒を飲みたい、それだけです。

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宮城県仙台市青葉区、KiRANA SENDAIのクリエイティブディレクター/統括マネージャー。1980年6月14日生まれ。O型。
「その人に寄り添うヘア」をモットーに手入れのしやすさ・自然なのにキマる髪型を追求しています。
柔らかい女性らしいスタイル、ダメージを感じさせないカラーリングが得意です。

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